岡山の船処分手続き|名義違い・書類なしでも廃船まで進められる完全ガイド
「係留中の船ですが、今後使わないのであれば撤去してください」
岡山県内の港やマリーナから、突然そんな連絡を受けて困っていませんか。
父が残した船なので、自分の判断で処分してよいのか分からない。
実家から船舶検査証書や手帳らしき書類は出てきたものの、どこへ提出するものなのかも分からない。
「先に申請してから船を処分するのか」
「船を撤去した後に手続きするのか」
「港からの引上げや運搬は、どこへ頼めばよいのか」
調べても聞き慣れない専門用語ばかりで、結局何から始めればよいのか分からず、船を置いたままにしている方も少なくありません。その間も係留料はかかり続け、港への返事も先延ばしになってしまいます。
船の処分は、船体を運び出して解体すれば終わりではありません。船の種類や登録状況によっては、処分したことを証明する書類を受け取り、船の登録や検査関係の手続きを終わらせる必要があります。港やマリーナとの契約も、別に確認しなければなりません。
ただし、最初からすべての書類を揃える必要はありません。
この記事で分かる事
- 自分の船に必要な手続きの調べ方
- 船を処分する前に確認する情報と書類
- 船体の撤去・解体と申請を行う順番
- JCIや岡山県へ提出する書類と連絡先
- 相続した船や書類がない船の進め方
- 自分で行う手続きと業者へ任せる作業
- 今日最初に誰へ何を伝えればよいか
船の知識がなくても、記事を順番に読めば、船体の撤去から登録や係留契約を終えるまでの流れを整理できます。
30秒で分かる|あなたの船に必要な手続き
船の処分手続きは、すべての船で同じではありません。まずは、手元にある書類と船の名義を確認し、次のうち最も近いものを選んでください。
船舶検査証書があるプレジャーボート
釣りやレジャーに使っていた船で、手元に「船舶検査証書」や「船舶検査手帳」がある場合です。
一般的には、次の順番で進めます。
- 解体証明書を発行できる処分業者へ相談する
- 船を引き上げ、運搬・解体する
- 業者から解体証明書を受け取る
- JCIで登録を消す手続きと、検査書類を返す手続きを行う
- 岡山県への届出や係留契約がある場合は、終了手続きを行う
JCIとは「日本小型船舶検査機構」のことで、小型船舶の登録や検査を行う機関です。登録されている小型船舶を解体した場合は、解体したことを証明する書類を添えて、抹消登録や返納・廃船届の手続きを行います。
船全体、エンジン、船舶検査証書を撮影し、処分業者へ解体証明書を発行できるか確認します。
漁船登録票がある船
漁に使用していた船で、「漁船登録票」が残っている場合です。
プレジャーボートと同じ手続きだと判断せず、次の2つを確認します。
- 漁船登録票を登録先の都道府県へ返す手続き
- 船舶検査を受けていた場合は、JCIへ検査書類を返す手続き
漁船登録を受けた船を廃船にする場合は、漁船登録票の返納先と、JCIへの返納・廃船届の必要性をそれぞれ確認します。
漁船登録票を確認し、所属していた漁協または岡山県の担当窓口へ連絡します。
故人の名義になっている船
相続した船は、すぐに解体を依頼せず、最初に登録名義人と相続関係を確認します。
船舶検査証書に亡くなった方の名前が記載されている場合や、誰が船を相続したのか決まっていない場合は、処分前にJCIへ相談してください。
船の所有者が亡くなった場合は、相続人への名義変更に当たる移転登録が必要になることがあります。相続状況によって、遺産分割協議書などの書類を求められる場合があります。
- 船舶検査証書に記載された所有者
- 船を相続する人
- ほかに相続人がいるか
相続人や必要書類が分からない場合は、船を解体する前にJCIへ相談します。
書類がない、または船の名義が分からない
書類を紛失していても、すぐに処分できないと決まったわけではありません。
まず、船体に記載されている次の番号を探します。
- 船舶番号
- 船体識別番号
船舶番号は「岡山12345」のような表記で、船体識別番号はアルファベットと数字を組み合わせた番号です。
船舶番号や船体識別番号が分かれば、登録事項証明書を請求し、現在の登録内容を確認できる場合があります。
船全体と船体に記載された番号を撮影し、JCI岡山支部または船舶処分業者へ相談します。
迷ったときは、この順番で確認してください
- 亡くなった人の名義ではないか
- 漁船登録票がないか
- 船舶検査証書や船舶検査手帳がないか
- 船体に船舶番号や船体識別番号がないか
現時点ですべてを判断できなくても問題ありません。まずは、船全体・エンジン・手元にある書類、または船体番号の写真を残すところから始めてください。
岡山で船を処分する5ステップ
岡山で船を処分するときは、船体を撤去するだけでなく、処分後の登録や係留契約まで順番に終わらせる必要があります。
- 船の種類・名義・保管場所を確認する
- 船を処分できる業者へ相談する
- 船を引き上げて運搬・解体する
- 処分を証明する書類を受け取る
- JCI・岡山県・係留先の手続きを終える
父母から相続した船や名義が分からない船は、先に登録状況を確認してください。確認前に解体すると、必要な手続きが進めにくくなる可能性があります。
船の種類・名義・保管場所を確認する
最初から申請書を用意する必要はありません。まずは、船の基本情報を確認します。
- どのような船か
- 誰の名義になっているか
- どこに置かれているか
- どのような書類が残っているか
船舶検査証書がある場合は、所有者名、船舶番号、船の長さを確認します。
書類がない場合は、船全体、エンジン、船体に記載された番号を撮影してください。保管場所と全体写真が分かれば、処分業者への相談を始められます。
船を処分できる業者へ相談する
船の場所・大きさ・状態を伝え、引上げから解体までの見積もりを依頼します。
- 海上からの引上げ
- クレーン作業
- 港からの運搬
- 船体の解体・処分
- 船内に残った荷物の処分
- 燃料やオイルの処理
- 船外機や金属部品の買取
- 解体証明書の発行
金額だけで決めず、港からの引上げや、処分後に必要となる証明書まで対応できるかを確認してください。
見積もり時に最低限伝える3項目
- 船が置かれている場所
- 船全体の写真
- おおよその長さ
分かる場合は、船の幅、エンジンの状態、船舶番号、クレーン車が近づけるかも伝えると、見積もりが進みやすくなります。
船を引き上げて運搬・解体する
作業方法は、船が海上にあるか陸上にあるか、エンジンが動くかによって変わります。
海上に係留されている場合
- 自走して引上げ場所まで移動する
- 別の船で曳航する
- 港でクレーンを使って引き上げる
陸上保管の場合でも、船の大きさや車両の進入条件によって、クレーンや積載車が必要です。
- 船内の釣り道具や私物
- 燃料やオイル
- ロープ
- アンカー
- 船台
- 船外機やバッテリー
港やマリーナで作業する場合は、管理者へ作業日時、クレーン使用場所、車両の進入方法を確認し、処分業者と共有します。
処分を証明する書類を受け取る
船の解体が終わったら、業者から処分した事実を証明する書類を受け取ります。
- 解体・解撤証明書
- 船体引渡証明書
- FRP船リサイクル管理票の写し
- 推進機関撤去証明書
- どの名称の証明書が発行されるか
- 発行費用が見積もりに含まれているか
- いつ受け取れるか
- JCIの手続きに使用できる書類か
JCI・岡山県・係留先の手続きを終える
船体を撤去した後は、登録・届出・契約の3つに手続き漏れがないか確認します。
JCIで確認すること
- 抹消登録申請
- 返納・廃船届
- 船舶検査証書などの返納
登録対象外の船では、返納・廃船届のみとなる場合があります。必要書類は船の登録状況によって異なります。
岡山県で確認すること
岡山県へ船の大きさや係留場所を届け出ていた場合は、「プレジャーボート届出廃止届出書」の提出を確認します。
港・マリーナで確認すること
- 係留契約の解約
- 係留料の精算
- 鍵や施設カードの返却
- ロープ・アンカー・船台の撤去
- 使用場所の原状回復
- 契約終了日の確認
船の処分が完了したか確認するチェックリスト
- 船体が港や保管場所から撤去された
- ロープ・アンカー・船台などの残置物がない
- 解体証明書などを受け取った
- 必要なJCI手続きを行った
- 岡山県への届出廃止を確認した
- 港やマリーナの契約を解約した
- 係留料などの精算を終えた
船の種類や登録状況によって必要な手続きは異なります。判断できない場合は船を先に解体せず、船舶番号、名義、手元の書類を確認してから、JCIまたは処分業者へ相談してください。
船を処分する前に準備するもの
船の処分を相談するときに、最初からすべての書類や船の情報を揃える必要はありません。まずは、処分業者が船の大きさや搬出方法を判断するために必要な情報を準備します。分からない項目は、空欄のままでも相談できます。
最低限、この3点を準備する
- 船が置かれている場所
- 船全体が分かる写真
- 船のおおよその長さ
海上係留の場合は港やマリーナの名称、自宅や倉庫の場合は住所も伝えてください。船の長さが分からなければ、船舶検査証書や全体写真から確認できます。
写真は船体だけでなく周囲も撮影する
見積もりでは、船そのものだけでなく、どのように引き上げて運び出すかも確認します。次の写真があると、現地確認前でも作業方法を判断しやすくなります。
- 船の前・横・後ろから撮影した全体写真
- 船外機または船内機
- 船舶番号や船体識別番号
- 船内に残っている荷物
- 船の周囲や搬出経路
- 岸壁や桟橋から船までの位置関係
- 船台やトレーラーの状態
手元にあれば確認する書類
次の書類が残っている場合は、処分が終わるまで捨てずに保管します。
- 船舶検査証書
- 船舶検査手帳
- 船舶検査済票
- 登録事項通知書
- 漁船登録票
- 岡山県への届出関係書類
- 港やマリーナとの係留契約書
- 船を購入・譲り受けた際の書類
分かれば伝える船の情報
次の情報まで分かると、見積もりや手続きの確認が早くなります。
- 船の全長と幅
- FRP・木造・金属などの船体材質
- プレジャーボートまたは漁船の区分
- 船外機・船内機の種類
- エンジンが動くか
- 海上係留または陸上保管の別
- 浸水・破損・沈没の有無
- 船内に残っている燃料やオイル
- ロープ・アンカー・船台の処分が必要か
- 船外機や部品の買取査定を希望するか
港やマリーナへ確認すること
港やマリーナから船を撤去する場合は、処分業者だけで作業日時や方法を決められないことがあります。事前に管理者へ次の事項を確認します。
- 船の撤去期限
- 作業できる曜日と時間
- クレーンを使用できる場所
- トラックや作業車両の進入方法
- 作業時の立会いが必要か
- 港内での曳航や移動が可能か
- ロープ・アンカー・船台をどこまで撤去するか
- 未払いの係留料があるか
相続した船で追加確認すること
父母など、亡くなった方が所有していた船では、次の情報も確認します。
- 船舶検査証書に記載された所有者名
- 船を相続する予定の人
- ほかに相続人がいるか
- 遺産分割について話し合いが終わっているか
- 船の処分について相続人の同意があるか
相談前の準備チェックリスト
- 船が置かれている場所を説明できる
- 船全体の写真を撮影した
- おおよその長さが分かる
- エンジン部分を撮影した
- 船体番号や書類を撮影した
- 搬出経路や岸壁の写真を撮影した
- 港やマリーナの管理者へ撤去条件を確認した
- 登録名義人と相続の有無を確認した
すべてにチェックが入らなくても相談は始められます。最初は、船の場所・全体写真・おおよその長さの3点を伝え、不足している情報を処分業者と一緒に確認してください。
提出書類と入手方法
船を解体した後は、必要な書類を揃えてJCIへ提出します。すべての書類を自分で作成するわけではなく、提出物は大きく3種類に分けられます。
- 自分または代理人が記入する書類
- 処分業者などから受け取る証明書
- 手元にある船の書類や、船体から外して返すもの
JCIに登録されている小型船舶を解体した場合は、原則として「抹消登録」と「返納・廃船届」の両方を行います。
登録対象外の船は、抹消登録申請ではなく、返納・廃船届のみとなる場合があります。
JCIの申請書は様式が変更されることがあります。以前保存した用紙ではなく、申請時に公式サイトの最新版を確認してください。
JCIの各種申請書一覧を確認するJCIへ提出する主な書類
書類ごとに「誰が用意するか」「いつ準備するか」を確認し、ダウンロードできる用紙は公式PDFから取得してください。
抹消登録申請書
- 用意する人
- 船の所有者または代理人
- 入手方法
- JCI公式PDFからダウンロード
- 準備時期
- 船の処分後
解体・解撤証明書
- 用意する人
- 船を解体した処分業者など
- 入手方法
- 業者へ発行を依頼、または公式様式を使用
- 準備時期
- 解体完了後
返納・廃船届
- 用意する人
- 船の所有者または代理人
- 入手方法
- JCI公式PDFからダウンロード
- 準備時期
- JCIへ提出する前
手数料払込証明書
- 用意する人
- 申請者
- 入手方法
- 振込時に受け取る受領証など
- 準備時期
- 書類提出前
船舶検査証書・船舶検査手帳
- 用意する人
- 船の所有者
- 入手方法
- 手元に保管している原本
- 準備時期
- 処分前に探しておく
船舶検査済票
- 用意する人
- 船の所有者または処分業者
- 入手方法
- 船体に貼られているものを剥がす
- 準備時期
- 船体を解体する前
委任状
- 用意する人
- 船の所有者
- 入手方法
- JCI公式PDFからダウンロード
- 準備時期
- 代理申請を依頼する場合のみ
抹消登録申請書
抹消登録申請書は、JCIに登録されている船の登録を消すための書類です。
- 船舶番号
- 船体識別番号
- 船籍港
- 所有者の氏名・住所
- 登録を消す理由
- 船を解体した日
船舶番号や船体識別番号は、船舶検査証書、船舶検査手帳、登録事項通知書などを確認しながら記入します。
解体・解撤証明書
解体・解撤証明書は、船を実際に解体したことを第三者が証明する書類です。
船の所有者が自分で証明するのではなく、処分業者など、解体した事実を確認できる第三者に作成してもらいます。
- 解体証明書を発行できるか
- 船舶番号または船体識別番号を記載できるか
- 発行費用が見積もりに含まれているか
- 解体後、いつ受け取れるか
返納・廃船届
返納・廃船届は、船を廃船にしたことを届け出て、船舶検査関係の書類を返すための書類です。
- 所有者または届出人の氏名・住所
- 船種・船名
- 船舶番号
- 船体識別番号
- 船の長さ
- 船舶検査証書の番号
- 廃船にした理由
- 返納できない書類とその理由
業者などが代理で届け出る場合は、所有者が作成した委任状を添付します。
記入例付き返納・廃船届を開く船舶検査証書・船舶検査手帳
船舶検査証書と船舶検査手帳は、返納・廃船届と一緒にJCIへ返します。
臨時航行許可証や臨時変更証を持っている場合は、それらも併せて提出します。
船舶検査済票
船舶検査済票は、船体に貼られている番号入りのステッカーです。船体を解体する前に剥がし、ほかの検査書類と一緒にJCIへ返します。
破れていても提出できます。剥がせずに解体した場合は、返納・廃船届へ返せない理由を記入します。
手数料払込証明書
登録対象船の抹消登録には手数料がかかります。金融機関へ振り込み、振込内容を確認できる受領証などを申請書類へ添付します。
返納・廃船届のみの場合は、届出自体に手数料はかかりません。
委任状
処分業者や販売店などにJCIへの提出を依頼する場合は、所有者が作成した委任状が必要です。
ただし、すべての処分業者が抹消登録の代行に対応しているわけではありません。
- 必要書類の案内のみか
- 書類の記入補助まで対応するか
- JCIへの提出まで代行するか
- 手続き完了後の書類を受け取れるか
書類を提出する順番
- 船を処分し、解体証明書を受け取る
- 抹消登録申請書と返納・廃船届を記入する
- 必要な抹消登録手数料を振り込む
- 船舶検査証書・手帳・検査済票を揃える
- 必要書類を管轄するJCI支部へ提出する
必要書類は、船の保管場所を管轄するJCI支部へ、窓口または郵送で提出します。
書類が見つからない場合や、相続した船で登録上の所有者が異なる場合は、そのまま申請書を書き進めず、先にJCIへ必要な手続きを確認してください。
岡山県内の提出先・連絡先
船を処分するときは、1か所へ連絡するだけでは終わらない場合があります。まずは、何の手続きを終わらせたいのかを確認してください。
船の登録はJCI、岡山県への届出は県・市の窓口、係留契約は港やマリーナへ連絡します。漁船登録票がある場合は岡山県水産課にも確認します。
何を終わらせたいかで連絡先を選ぶ
-
船の登録を消したい
JCI岡山支部へ連絡します。
-
岡山県への届出を廃止したい
船を置いている地域の県・市窓口へ提出します。
-
係留契約を解約したい
契約している港・マリーナ・漁協へ連絡します。
-
漁船を廃船にしたい
岡山県水産課または所属する漁協へ確認します。
JCI岡山支部
抹消登録、返納・廃船届、検査書類の返納について相談します。
電話前に用意する情報
- 船舶番号
- 登録上の所有者名
- 解体前か、解体後か
- 所有者が亡くなっているか
- 船舶検査証書や手帳の有無
プレジャーボート届出の廃止
岡山県へ係留位置などを届け出ていた船は、廃船後に届出廃止の確認を行います。
- 届出済証番号
- 船舶番号
- 届出者の氏名・住所
- 廃止理由
- 業者へ依頼したなどの廃船方法
提出先は、原則として船を係留している地域の受付窓口です。郵送提出も案内されています。
港・マリーナ・漁協
船を撤去しても、係留契約が自動的に解約されるとは限りません。
- 船の撤去予定日
- 処分業者名
- クレーンや作業車両の使用
- 係留契約の解約日
- 未払い係留料の精算
- 鍵や施設カードの返却
- ロープ・アンカー・船台の撤去範囲
船がなくなっても契約が残っていれば、係留料が発生する可能性があります。
岡山県 水産課 漁政班
「漁船登録票」がある船は、プレジャーボートと同じ手続きで進めず、漁船登録の廃止について確認します。
漁船登録票と船舶検査証書の両方がある場合は、水産課とJCI岡山支部の双方へ確認してください。
船を置いている地域から届出窓口を探す
下の地域名を押すと、受付窓口が表示されます。
岡山市周辺
玉野市周辺
備前市・東備地域
倉敷市周辺
笠岡市周辺
岡山県 土木部 港湾課 計画振興班へ、船を置いている港名または場所を伝えてください。
086-226-7486へ電話迷ったときの連絡順
- 船舶検査証書があるならJCI岡山支部
- 岡山県の届出済シールがあるなら地域の届出窓口
- 漁船登録票があるなら岡山県水産課または漁協
- 係留料を支払っているなら港・マリーナの管理者
- 船体の引上げ・運搬・解体は船舶処分業者
一度にすべてへ連絡する必要はありません。まず手元の書類を確認し、自分の船に当てはまる最初の窓口から相談してください。
相続・書類紛失・名義不一致がある場合
父母から相続した船や、登録上の所有者と現在の使用者が異なる船は、通常の廃船手続きだけでは進められない場合があります。
船体を解体する前に、現在の登録名義と、船を処分できる人を確認してください。書類がない、名義が違うという理由だけで、処分できないと決まったわけではありません。
- 所有者が亡くなっている
- 相続人が複数いる
- 船の書類を紛失している
- 前の所有者名義のままになっている
- 登録住所や氏名が現在と違う
- 船の所有者が分からない
所有者が亡くなっている船
船舶検査証書や登録事項通知書に、亡くなった父母の名前が記載されている場合は、相続関係を確認してから処分を進めます。
小型船舶の所有者が相続によって変わる場合は、所有権を移す「移転登録」の対象になります。ただし、相続した船をそのまま廃船にする場合に必要な手続きは、相続状況によって異なります。
最初に確認すること
- 船舶検査証書に記載された所有者
- 法定相続人が誰か
- 船を取得する相続人が決まっているか
- 遺産分割協議が終わっているか
- ほかの相続人が処分に同意しているか
参考: JCI 遺産分割協議書の書式例
相続人が複数いる船
兄弟姉妹など複数の相続人がいる場合は、船を誰が引き継ぐのか、または誰の判断で処分するのかを決めます。
話し合っておくこと
- 法定相続人の人数
- 遺言書の有無
- 遺産分割協議の内容
- 船を相続する人
- 処分費用を負担する人
- 売却代金や買取金額を受け取る人
処分業者へ依頼する前に、船の処分について相続人間で認識を揃えておくと、作業後のトラブルを防げます。
参考: JCI 登録に関するよくある質問
船舶検査証書や手帳を紛失した船
船舶検査証書や船舶検査手帳が見つからなくても、すぐに廃船手続きを諦める必要はありません。
返納・廃船届には、返せない書類や船舶検査済票について、返納できない理由を記入する欄があります。
解体前に探すもの
- 船体に表示された船舶番号
- 船体識別番号
- 船名
- 船舶検査済票
- 過去の検査案内
- マリーナや漁協との契約書
- 購入時の領収書や譲渡証明書
参考: JCI 返納・廃船届
購入後も前の所有者名義になっている船
中古艇を購入または譲り受けたものの、名義変更をしていない場合は、実際の所有者とJCIの登録上の所有者が異なります。
確認すること
- 登録上の所有者
- 船を譲り受けた日
- 譲渡証明書の有無
- 前所有者の連絡先
- 売買契約書や領収書の有無
- 名義変更をしていない理由
中古艇の名義変更では、前の所有者が作成した譲渡証明書や印鑑証明書などが必要になる場合があります。
参考: JCI 中古艇の名義変更
登録住所や氏名が現在と異なる場合
登録上の所有者は本人でも、引っ越しや結婚などにより、現在の住所や氏名と登録内容が異なる場合があります。
該当する例
- 登録後に転居している
- 結婚や離婚で姓が変わった
- 旧住所のまま登録されている
- 住民票だけでは住所の履歴を確認できない
住所変更では、登録住所から現在の住所までのつながりを確認できる住民票や戸籍の附票が必要になる場合があります。氏名変更では戸籍謄本などを求められることがあります。
参考: JCI 住所・氏名・船籍港の変更
所有者が誰か分からない船
実家や購入した土地に船が残っていても、土地の所有者が自由に船を処分できるとは限りません。
勝手に処分しない方がよい例
- 購入した土地に前所有者の船が残っている
- 港に長期間放置されている
- 知人から預かったまま連絡が取れない
- 相続財産かどうか分からない
- 船体番号はあるが書類がない
船舶番号や船体識別番号が分かれば、登録事項証明書を請求して、登録上の所有者を確認できる場合があります。
参考: JCI 登録事項証明書
JCIへ電話するときに伝える内容
- 船舶番号または船体識別番号
- 登録上の所有者名
- 現在船を管理している人
- 所有者が亡くなっているか
- 相続人が複数いるか
- 書類を紛失しているか
- 船をすでに解体したか
- これから処分する予定か
すべての情報が揃っていなくても相談できます。相続・名義不一致・書類紛失のいずれかに当てはまる場合は、通常の申請書を自己判断で記入するより、解体前にJCIへ状況を説明して必要書類を確認してください。
自分で行うか業者へ任せるかの判断基準
船の処分は、自分でJCIの書類を提出する方法と、船体の撤去や手続きの一部を業者へ任せる方法があります。
船の引上げ・曳航・運搬・解体・証明書発行まで、自分で手配できるかを含めて判断してください。
まずは6項目で簡易診断
次の項目に、いくつ当てはまるか確認してください。
- 船は陸上にあり、安全に運び出せる
- 登録名義人が自分である
- 船舶検査証書などが揃っている
- 解体証明書を出せる処分先が決まっている
- JCIの提出書類を自分で準備できる
- 港やマリーナとの作業調整が不要である
自分で進めやすいケース
次の条件が揃っていれば、所有者自身でJCIへの申請を進めやすくなります。
- 登録名義人が本人
- 船舶番号や船体識別番号が分かる
- 船舶検査証書・手帳が揃っている
- 船が陸上に保管されている
- 運搬方法と解体先が決まっている
- 解体証明書を発行してもらえる
- 相続や名義不一致の問題がない
業者へ相談した方がよいケース
- 船が海上に係留されている
- エンジンが動かず自走できない
- 曳航やクレーン作業が必要
- 大型車両が入れるか分からない
- 燃料やオイルが残っている
- 船体が破損・浸水している
- 港から撤去期限を指定されている
- 父母名義の相続船である
- 船の書類を紛失している
- 登録名義人と所有者が異なる
- 解体証明書の取得先が分からない
- 船外機や部品も査定してほしい
自分で行う場合の主な作業
- JCIへ必要書類を確認する
- 処分業者や解体先を探す
- 船体の運搬を手配する
- 解体証明書を受け取る
- 抹消登録申請書を記入する
- 返納・廃船届を記入する
- 検査証書・手帳・検査済票を揃える
- 手数料を振り込む
- JCIへ必要書類を提出する
- 岡山県の届出や係留契約を終了する
業者へ任せられる可能性がある作業
- 船の現地確認
- 港やマリーナとの作業日程調整
- 船の曳航
- クレーンによる引上げ
- 積込み・運搬
- 船内残置物の撤去
- 燃料・オイルの処理
- 船体の解体・処分
- 解体証明書の発行
- 船外機・エンジン・部品の査定
- JCI書類の案内・記入補助
- 委任状による提出代行
業者へ依頼しても所有者が確認すること
- 船の登録名義
- 船を処分する権限があるか
- 相続人の同意
- 申請書や委任状への署名
- 港・マリーナの契約名義
- 係留料などの未払い金
- 買取金額の受取人
船舶処分業者を選ぶときの確認事項
- 引上げ・運搬・解体の対応範囲
- クレーン費や港湾作業費を含むか
- 燃料・オイル・船内残置物を処理できるか
- 解体証明書を発行できるか
- 証明書に船舶番号を記載できるか
- JCI手続きの案内に対応するか
- 代理提出に対応しているか
- 船外機や部品を査定できるか
- ロープ・アンカー・船台も撤去するか
- 追加費用が発生する条件は何か
船体の撤去から処分後の証明書まで、必要な作業範囲を明確に説明できる業者を選んでください。
迷ったときは、この3点で判断
- 船をどうやって陸へ上げるか分からない
- 誰の名義で、誰が処分できるか分からない
- 処分後に受け取る証明書が分からない
一つでも当てはまる場合は、船を解体する前に業者へ相談してください。安全に撤去できること、処分の証明を残せること、登録や契約を最後まで終了できることが判断基準です。
船を処分するときによくある失敗
船体を撤去できても、登録・証明書・係留契約が残っていると、船の処分は完全には終わりません。
船を先に解体してから、登録名義や必要書類を確認することです。解体後では確認できない番号や、受け取れない証明書があります。
各項目では「何が起こるか」と「処分前にどう防ぐか」をセットで説明しています。
解体証明書を確認せずに処分した
- 解体証明書を発行できるか
- 船舶番号または船体識別番号を記載できるか
- 発行費用が見積もりに含まれているか
- 解体後、いつ受け取れるか
登録名義を確認せず相続船を解体した
- 登録上の所有者
- 法定相続人
- 船を相続する人
- ほかの相続人の同意
- JCIで必要となる相続関係書類
船舶検査済票を付けたまま解体した
船舶検査済票は、船体に貼られている番号入りのステッカーです。返納が必要な場合は、解体前に外して保管します。
引上げ・解体を依頼するときに、上記の内容を処分業者へ伝えてください。
自己判断で手続きを進めず、JCIへ返納できない理由の記載方法を確認します。
船体撤去後も係留契約を解約していなかった
- 契約の解約方法
- 契約終了日
- 未払い係留料
- 鍵や施設カードの返却
- ロープ・アンカー・船台の撤去範囲
- 原状回復の必要性
船の撤去日と、係留契約の終了日は別に確認してください。
岡山県への届出廃止を忘れた
岡山県へ船の大きさや係留場所を届け出ていた場合は、船を処分した後に届出廃止の確認が必要です。
- 岡山県の届出済みステッカーがないか確認する
- 船を係留していた地域の受付窓口へ連絡する
- 担当が不明なら岡山県港湾課へ確認する
見積もりに引上げ費やクレーン費が入っていなかった
船体の解体費だけを見て依頼すると、作業後に追加費用が発生することがあります。
- 曳航費
- クレーン費
- 積込み・運搬費
- 港湾施設の使用料
- 燃料・オイル処理費
- 船内残置物の処分費
- ロープ・アンカー・船台の撤去費
- 解体証明書の発行費
「船体処分一式」だけでなく、どこからどこまで含まれているかを書面で確認してください。
船体撤去後にロープやアンカーが残った
「船を処分してほしい」とだけ伝えると、船体以外の物が作業範囲に含まれていない場合があります。
- 係留ロープ
- アンカー・チェーン
- 防舷材
- 船台・トレーラー
- バッテリー
- 釣り道具や船内荷物
作業後に何も残らない状態まで依頼する場合は、対象物を見積書へ記載してもらいます。
船外機や部品の価値を確認せず処分した
船体が古くても、船外機・エンジン・プロペラ・航海計器などに価値が残っている場合があります。
- 船外機の全体
- メーカー名
- 型式・製造番号
- エンジンの動作状況
- プロペラや金属部品
- 航海計器・魚群探知機
買取可能な部品があれば、処分費を軽減できる可能性があります。
自分で解体し、処分先が見つからなくなった
燃料・オイル・バッテリーの取り扱いにも危険があります。
- 解体後の船体を受け入れる処分先
- JCIへ提出できる証明書を用意できるか
- 燃料・オイルを安全に処理できるか
3点を確認できない場合は、船体をそのままの状態で処分業者へ相談してください。
失敗を防ぐために、処分前に確認する3点
- 誰の船か 登録名義と、処分する権限がある人を確認する
- 誰が証明するか 解体証明書を発行できる処分業者を選ぶ
- どこまで終わらせるか 船体撤去、JCI、岡山県、係留契約まで確認する
解体後では取り戻せない情報があります。
名義・証明書・契約のいずれかが分からない場合は、先に船を処分せず、JCI岡山支部、係留先、船舶処分業者へ確認してください。
手続きが分からなくても、船の処分はすべてお任せください
ここまで読んでも、自分の船に必要な手続きや、最初に連絡する相手を判断できない方もいるでしょう。
- 父名義の船を、自分が処分してよいのか分からない
- JCI・岡山県・港のどこから連絡すればよいか分からない
- 書類が揃っておらず、手続きを始められない
船の処分に必要な作業や手続きを、ご自身ですべて調べて、別々の窓口へ連絡する必要はありません。
船体の撤去から処分後の手続きまで一括対応
必要なご本人確認や署名を除き、船の処分に必要な作業と手続きをまとめて代行します。
- 船の種類・登録名義・必要書類の確認
- 港やマリーナとの撤去日程の調整
- 船の曳航・クレーンでの引上げ
- 積込み・運搬・船体の解体処分
- 船内残置物・燃料・オイルの処理
- 解体証明書の発行
- JCIの登録・廃船手続き
- 岡山県への届出廃止手続き
- 船外機・エンジン・金属部品の買取査定
まずは、この3点だけお知らせください
書類や名義が分からなくても、次の情報から確認を始められます。
- 船が置かれている場所
- 船全体が分かる写真
- 船のおおよその長さ
港から撤去を求められている船、動かない船、父母から相続した船も、先に解体せず、そのままの状態でご相談ください。
船の引取り・処分をまとめて相談する
港・マリーナ・自宅・倉庫にある船に対応。船外機や部品に価値が残っている場合は、買取によって処分費を軽減できる可能性があります。
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